『加奈〜いもうと〜』

やっと書けます。
ひつじのエロゲ人生の原点ともいえる作品です。


『加奈〜いもうと〜』
制作は‘ディーオー’(1999年6月)
2004年にはボイスとCGを追加した『加奈…おかえり』(Win)が高屋敷開発より発売。
2005年にはXbox版が、パンサーソフトウェアにより開発が行われるが制作中止。
2010年にサイバーフロントよりPSP版としてリメイク発売された。

まだエロゲを始めて間もないころにプレイした作品であり、
妹属性という抗えない性癖をひつじに植え付けた金字塔でもあります。

今回、PSP版をプレイしましたが、あまりに思い入れが強すぎる作品であるため
『永遠のアセリア』に続き、本作も採点不可とさせていただきます。

ですので、以下はレビューというよりも感想に近い内容となっております。

 


あらすじ

妹の加奈は、生まれつき体が弱く、幼いころから入退院を繰り返していた。
主人公は兄として、加奈を守ってやることを心に誓い、加奈の身辺を甲斐甲斐しく世話する。
常に生活の中心には加奈がいた。
病院での生活しか知らない加奈とともに過ごす日々。
新しい世界に触れる度、加奈は輝いているようだった。
休学ばかりで卒業が遅れてしまった中学だったが、主人公が通っていたのと同じ高校に通えることを
加奈は本当に喜んでいた。
しかし、病は確実に加奈の身体を蝕んでいき、予断を許さぬ状況を迎えようとしていた……


先に、簡単に評価だけ。

ストーリー(/25) ―点  生きることの美しさを描いた名作。
イラスト(/25) ―点  絵の巧拙だけがゲームの出来を左右するものではない
システム(/15)   難易度は高め。ただし、達成感はあり
その他(/各7) 長さ ― エロ ― 萌え ― 笑い ― 音楽 ―

 総合 ‐-点



 
ストーリー 

いわゆる『泣きゲー』。

ヒロインはただひとり、妹の加奈のみであり、ルート分岐も主人公と加奈の関わり方、加奈の成長の軌跡の多様性を描いたものとなっています。

幼いころの主人公は、子供にありがちな嫉妬と反抗心などから、病弱な加奈を苛めていました。
しかし、とある事件をきっかけに、「加奈は俺が守るんだ」という意識が芽生えます。

これぞ、お兄ちゃんの鏡!

忙しい両親にかわって、加奈の授業参観に出席したり、気の小さい加奈をコギャルたちから守るため奮闘したり、自転車の後ろにのっけて通学したり、久しぶりに退院できた加奈を連れて夏祭りに繰り出したりと、これでもかというほどに加奈を可愛がります。自分の腎臓切り貼りするのだって、ノータイムオッケーです。

超々過保護です。

だが、それでこそ、お兄ちゃんオブお兄ちゃん!



とまぁ、そんなこんなで類稀なるお兄ちゃん力を発揮する主人公ですが、このゲームの本質はそこではありません。
もとい、主人公とは「兄」ですらないかもしれません。
本当の主役は、「加奈」その人です。


たとい、お兄ちゃんを愛し、お兄ちゃんに愛されようとも、結局のところその傷んだ身体は加奈自身のものでしかなく、死と向き合わなければならないのも、自分である。
中学、高校と身体と心が成長していくにつれ、自分の運命への意識は複雑化していきます。

そして、複雑に絡んだ気持ちの糸をすこしずつ解(ほぐ)していく、様々な出会いと想い出。

 
「今日、海をみた。
もう怖くない」



死を見つめた先、加奈のたどり着いた答えの中の一つが、この台詞に集約されています。
あまりに有名なこの台詞は、プレイされてない方でも知っている人は多いかと思います。
ですが、果たして、この言葉の真に意味するところはなんなのか。それは是非プレイして確かめて下さい。


本作は、ただ単なる「妹☆ハァハァ萌え萌えキュン♪兄ちゃまチェキチェキ」みたいなアホゲーではなく、死生観に対する哲学的な問いかけとひとつの回答例が、作品中に揃って提示された極めて稀有な妹ゲームです。




もはやネタバレにすらなっていませんが、加奈は死にます

ですが、彼女と、彼女の兄がともに生きた軌跡が、ここにあります。


(ネタバレ反転)
ベストエンドが、好きではないという人も多いですが、やはりひつじとしては、あーゆー形もあってほしいと思うものです。



 
イラスト 

決して美麗なものではありません。
年代的なものを考慮したとしても。

ですが、それでも味があるイラストに引き込まれ、肉感のあるHCGには色っぽさを感じたものでした。
加奈のはかなげな雰囲気には心打たれたものでした。。。

当 時 は 。



おいこら、PSP版の追加CGと追加立ち絵。

て め ぇ は 、て め ぇ だ け は 許 せ ね ぇ 。




昔の書き方忘れたんだったら、無理して加筆しなくてよかったのに・・・(´・ω・)
てゆーか、意味不明なキャラの立ち絵加えないでください。
シナリオライター(山田一)すら忘れてるキャラの立ち絵追加するとか…;



 
システム 

フラグ管理によるルート分岐。ED数は6つ。
わりと厳しく管理されているため、久しぶりにプレイすると普通に難しかったです。
最近のイージープレイな作品に慣れ親しみすぎましたか; 
それだけに、すべてのEDに到達したときのやりきった感、感動はひとしおです。

ところで、PSP版でメッセージ既読率が100%なのに選択肢達成率が100%にならないのは仕様でしょうか?


 
その他 

 ◆長さ
リプレイだった今回でも20時間は余裕でかかりました。
攻略見ずに初見プレイだと、軽く40時間はかかるのではないでしょうか。
長いです。
あと、内容も重いので、ひとつEDを見る度に、少し休息をとるべきと思います(笑)

ちなみに、当時は攻略チャートが公式HPに掲載されていましたが、PSP版では同梱ブックレットに掲載されています。


 ◆エロ
生々しくて好き。
そして、これも『永遠のアセリア』同様にシナリオとエロを切り離してはいけない「真性のエロゲ」だと実感しました。
こういうゲームはやはり大切。


 ◆萌え
妹。


 ◆笑い
笑うところはあんまりありません。
加奈の仕草や言葉に、微笑んでしまうこと多数ですが。


 ◆音楽
珠玉。
素晴らしい。最高。

特に、主題歌「白い季節」ED曲「あなたへ」は本作を構成する重要な要素。
当時プレイした時は、思い入れが強く、聞くだけで泣いてしまうために、プレイ後はほとんど聞けなかったほど。

また、PSP版では、ボイスが追加されています。
加奈のcvには小林沙苗が当てられていますが、これが名配役!名演!!

加奈の儚げでか細い声、割れ散ったガラスのような痛い声、力強く芯の通った声……
主演女優賞ものの名演で、「なぜ原作に彼女の声がなかったのか!?」と惜しむほどです。

 (ネタバレ反転)
とくに、原作厨のみなさんが危惧していた「追憶ED」のあの絶叫も見事に演じきれていたと思います。
思わず文字送りの指が止まってしまうほどに、痛切な叫びに体が震えました。


PSP版(限定版)にはすべての楽曲が集められたサウンドコレクションが同梱されていますので、こと音楽面についてはPSP版は優秀でした。



 
総 評 

泣きゲーの最高峰にあるゲーム。
悲しいや切ないだけでなく、プレイ後には前向きな気持ちにさせてくれる後味よい作品です。
いつもの書き方でいえば、まぎれもないオススメ名作。
このゲームをやっていないものに「お兄ちゃん」を語る余地なし。









◆◇雑記◇◆
親知らず抜きまくるので来週、人生初入院します。

 

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