『レーシャル・マージ』

〜前回の記事〜 
 >GW中にはレビューあげたいです
 >本当です。

・・・・・・


いったい貴様のGWはいつ終わるんだ、と。



さて、お待たせしました。



 『レーシャル・マージ』
 製作は‘AXL
 2014年4月発売
 AXL第10弾作品
 



 あ ら す じ
辺境の村から出てきた青年・ウィルは驚いていた。
田舎では見たことのないほどの人が、活気が、そしてなにより若い女性が
王都にはあふれていたからだ。
「王立高等選抜学院」の狭き門を、晴れて合格したウィルは全寮制のこの学院に
通うことを許され、田舎から身体ひとつで出てきていた。

しかし、田舎の老人たちに愛され過ぎて育ったウィルは、人を疑うことを
全く知らず、周囲には悉く馬鹿にされ、良い様に扱われた。

それでも、いつしか彼のまわりには笑顔がたえなくなる。
現王の妹も、大貴族の子息も、零細貴族も平民も、先生も、盲目の少女も、
そして、社会から蔑まれる人々も。
貴族だから、平民だから、奴隷だからという垣根を超えるウィルのお人好しは
みんなの心に次第に変化を及ぼしていく。
そして、その変化の波は時に大きな波を呼ぶことにもなっていく。

純朴系王道ファンタジーラブコメ、今回は暖かさがひと味違います!


 先に、簡単に評価だけ。

  ストーリー(/25) ◎22点 今回の暖かさは一味違った。
  イラスト(/25) ○17点 もう少しイベントCGを増やしても・・・
  システム(/15) ◎14点 非常に快適。
  その他(/各7) 長さ7 エロ4 萌え7 笑い5 音楽6

総合 82点



 
ストーリー 

シナリオは『キミの声がきこえる』『Princess Frontier』を担当し、田舎ものに定評のある北側寒囲。
攻略ヒロインは、前回同様パケ絵の5人。

「今回は暖かさがひと味違います!」という謳い文句の本作。
もともとハートウォーミング路線強めのブランドゆえ、ある程度の予想はしていたわけですが…


ひと味どころかふた味もさん味も暖かすぎるよ、コノヤロー


状態。

ぶっちゃけ、「暖かさ」という意味ではAXL史上間違いなく最上級の作品でした。

登場人物の多くが、自分の立場に劣等感や葛藤、障害などを抱いています。
そんなものを気にも留めない主人公(ウィル)の態度は初めこそ煙たがられますが、何度追い払ってもお人好しをやめようとしない、底抜けのお人好しにみんなが根負けする形になります(笑)
実際、プレイしていても初めはウィルの言動にイライラしていましたが、だんだんと「あー、ウィルならきっとこうするだろうなー」という思考回路に染められていくんですよ;



▲人に頼ることを極度に嫌う少女・メリル。ウィルや周囲の親切も固辞し続ける。


ですが、それだけであれば、
「いつもどおりのAXLだなぁ、優しいなぁ」
ぐらいの気持ちでプレイできていたのです。

問題は、ヒロイン含め仲間たちが主人公に感化され、お人好しを発揮しだしてからです!!

もう、こうなったら


みんな優しすぎるんだよ、コノヤロー


状態ですよ笑゛




▲人を信じることは、今までの自分の常識を捨てること。みんな、迷いながら成長していく。


友達のためなら危険は二の次。そのくせ、友達に迷惑はかけたくない……
距離を取りかねる若い子たちが、ぶつかりあいながら成長していく姿に思わず感動です。
現実でも誰もが通る「ヤマアラシのジレンマ」のような成長過程。
同じテーマであっても、『CROSS✝CHANNEL』のように痛々しく書くこともできれば、本作のようにどこまでも暖かく書くこともできる。
いやー、エロゲって本当にいいものですね。


閑話休題。

仲間が自分のできることで全力を尽くして、お互いを助けあう姿は、まさにAXL作品というシナリオでした。

ひつじ的には、アリシアのフレンドリーな感じやモリーさんのエロ教師的な感じも好きですが、なんといっても本作はやはりロア様(※男)でしょう!
おそらくは、かつてAXL助演男優賞の座に長く君臨してきた『Princess Frontier』のジンを超えるキャラかと。
彼については後々の項目でじっくりと・・・(笑


(ネタばれ反転)
ウィルの生い立ちやラミアとの関係、村の爺さんの正体にモリーのルーツなどなど、わりと投げっぱなしで
終わってしまった感のある本作ですが、ひつじ的にはキリのいいところで切れてるんじゃないかなと
評価しています。
往々にしてエロゲでは、細部にこだわりすぎて蛇足になってしまう可能性のほうが大いに高いですから。

それに、ウィル自身が「その人の素性にはこだわらない」というスタンスの人間なので、彼に投影している私たちもきっとそんなことを気にしてはいけないのでしょう(笑)



 
イラスト 

瀬之本久史原画。当然です。
キャラデザは、できすぎた前作と同じレベルを求めるのはさすがに酷というもの笑゛
それでも、今回もモリーなんかは良い線行っていると思います。

1枚絵について言えば、SD、差分抜きで90枚弱。前々作水準に戻った形。

とはいえ、ほとんどがエロCGというのはやはり寂しいもの。

確かに、立ち絵背景や表情変化、遠近描写などを多用することで、かなり画面を広くみせられており「飽きない演出」に成功し、かつ板についてきていると思います。
けれど、それと1枚絵の重要性はまた別のお話。

エロゲ買う人の多くが、1枚絵を重要視していることは、もはや常識。
とくに、AXLのように原画家比重が大きいところならなおさらです。

ぜひとも、元気と光あふれる綺麗な1枚絵を今後期待したいです。


 
システム 

操作性快適。
難度は低く、ゲーム性も低いですが、もうこの路線で行くことにしたのですね笑゛
マウスジェスチャ機能が、まだあまり進歩していなかったことだけが残念。
もう少し多種のショートカットを設定できれば良かったかな、と思いました。

今回、特筆したいのは「Another View」について。
主人公以外のキャラクターの視点で描かれるシーンのことです。
システムというよりも、シナリオとしての要素が強いと思われますが、演出と考えここで書いておきます。

別段、特別なシステムではなく、ただ語り手が変わるというだけのこと。他の多くのゲームでもよくみられるものです。
上のプレイ画像の2枚目、エルルが喋っているシーンが、まさに「AnotherView」中です。

本作ではこの「AnotherView」のシーンが非常に多い。
ヒロインだけでなく、男性キャラ目線でのことも多くあります。

おそらくは、主人公(ウィル)に魅かれていく登場人物たちの気持ちをより理解してもらおうという作戦なのだと思いますが、これが見事にハマっています!
みんなの視点から見るウィルは本当にいいやつです。
そして彼に魅かれていく仲間たちも本当にいいやつで裏表がないことがよくわかります。なので、妙な勘繰りをすることなく、親切や信頼に身をゆだねて物語を楽しむことができました。
これが、ウィル目線でのみ描かれていればここまで、暖かい作品にはならなかったのではないでしょうか。

何気ない演出なのですが、ここまで効果的に決められると本当に感心するしかありません。


 
その他 

 ◆長さ
18〜20時間。
共通5時間程度に、個別が各2〜3時間です。
ぶっちゃけ、完璧な長さと配分でした。
これもAXL史上最高だったんではないでしょうか。


 ◆エロ
取って付けた感が強い。
全員が大体同じパターンで、フェラに体位ひとつかふたつの組み合わせを3セット。
「エロ尺をなんとか消化しないと!」と無理くり頑張っているようにも映りました。

ただ、それをうまくフォローしていたのが、キャラの台詞と声優の演技でしょうか。
本作では、誰がエロ担当なのか、前作ほど明白ではありませんが、あえてあげるなら
アリシアとモリーでしょうか(中の人的に)。


▲さすがひわいさん。ひわいさんさすが。学園一の優等生の台詞とは思えない。滾る。


ところで、ライターの北側寒囲といえば、エロシーン描写で謎の日本語をぶちこんでくれることにも定評がありますが、今回の優勝ワードはモリーさんに言わせた、この台詞↓

優 勝
「……私も、ごっくん、ちゅぱちゅぱ初体験」



準優勝
「おち○ちんで抱きしめて欲しい……っ」




 ◆萌え
ロア様、ツンデレすぎ萌える。(※男です)


▲普段は鼻に付く言動ばかりするロアだが、ウィルのこととなると、この笑顔である。

大貴族の三男坊で、それを笠に着た発言、王族の権力におもねるせこさ、女性とみればロリからBBAまで見境なしと典型的なイヤな奴なのですが、なぜか憎めない。ウィルを弄りにいっては、なぜかいつも逆にみんなに弄られて帰ってくる可愛いやつ。
けれど、単なるアホな子キャラなだけでなく、ここぞという所ではナイト精神とアツい友情を見せてくれる男子力にも、ひつじさんは胸きゅんです。
そして、ロア様No.1の名シーンといえば、プレイし終わった方なら、もちろんお分かりのあのシーン。
(ネタバレ反転)
ウィルが滅びの民であることが書かれた報告書を破り捨てるシーン。
あれだけ地位と権力にすがっていた人間がここまで変わるのか、という疑念も、ウィルの人柄を見ているとすっ飛んでしまいそうです。

『PrincessFrontier』ノーマルEDでのジン同様、AXLファンの間で語り継がれること間違いなしのシーンでした。
純粋に、感動します。

忘れないように加えておけば、レビン(※男)とノッカー(※男)もかなりの胸きゅんでした。
いやー、本作は本当に野郎どもが豊作でした笑


 ◆笑い
ムルムルとエロキノコ。
いつもどおりのAXL。


 ◆音楽
松田理沙、青山ゆかりともに素晴らしい。
あと、OPもKOTOKOで素晴らしい。
BGMは、ここ数年でだんだん雰囲気が変わってきましたね。
いい方向にかわってきていると思います。



 
総 評 

暖かさNO.1ゲー。
ひつじが過去プレイした中で、このゲームほど暖かかった作品はありません。
また、テーマには心の距離だけでなく、社会の偏見に対する問いかけも含んでおり非常に濃厚な内容になっています。
つい共通にばかり比重が偏りがちなAXL作品ですが、本作のバランスは非常によく、個別もしっかり楽しむことができました。
イラスト数とエロが難点ではありますが、それを考慮してもまだ、胸を張って、オススメ&秀作の太鼓判を押します!
定価で買ってプレイ損なし!






=== === === === === ===
<おまけ>

ぷれい自体はかろうじてGW最終日に終わらせられたのですが、記事にするまでにかなり時間がかかってしまいました。
AXL信者として面目ないでござる;
 

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