正直な話、

 馬診るのはキライです。

だって大きくて速くて怖いから。




よく
「獣医さんって、どんな動物でも診なくちゃいけないから大変だね。」
と言われることがあります。

しかし、この
「獣医師はどんな動物でも診なくちゃいけない」
というのは半分正しくて半分嘘だ


その心は・・・・・・

おそらく「大変だね。」と言ってくれた人の言葉には、
「いろいろな動物に精通しなくちゃいけないから勉強が大変。」
という意味合いが込められているのでしょう。

で実際に、獣医師は診療を求められたとき(基本的に)これに応じる義務が法的にある。
要するに逃げられないのである。これが正しい半分。

じゃ、残り半分は何が嘘なのかといえば、それは
「診る義務」と「治せる技術」はそこそこ別物なのであるということ。

「診る」のが「義務」であるのなら「治せる技術」を身につけておくのも「義務」だろうと、いわれるかもしれないが、そもそも動物診療なんて治せない病気の方が多いのだからどうしようもない。

いわんや、地球上に数十万種とある動物すべてに精通し理解することなど。

こちら視点としては「診る」≠「治す」なのだ。

だから、初めの言葉を嘘なく言い換えるとするなら
「獣医師はどんな動物でも診ろといわれりゃ診るけれど、治せるかどうかは別の話。」
となる。

畜産経営などに携わり、普段から獣医との関わりがある畜主などはこのこともよくわかってくれているが、たまにひょこっと現れる「デカブツを愛玩している飼い主」(の一部)にはほとほと手を焼くことがある。

要するに、豚とかヤギとか馬とかをペットにしている方々で、飼いはじめる前に診療してくれる獣医を確保しておかなかった方々。(エキゾチックアニマルもそうだけど、こういった畜産動物や馬なんかも飼いはじめる前にはきちんと下調べしといてほしい。)

やはり、こういった手合いからは、術後に傷口が腫れただの治りが遅いだのふにゃふにゃふにゃふにゃとありがたいお言葉を頂くことが比較的多い。

だから、そういった事態に立ち向かう際には、

まず言う。

「うち、診療所でも動物病院でもないですから。」

次に言う。

「牛がメインなんで、それ以外適当ですよ。」

とどめは、

「どうしても治したいんなら、まだ街の犬猫病院の方がマシだと思いますけど。」

よく言えばインフォームドコンセント、有り体に言えば保身。

でも、これやっとかないとホント「あそこの獣医はエセばっかでアテにならん」と言われかねない。

別に「ヤブ」と言われても構わない。実際治せないのだから。

でも、「あいつらのやることはアテにならない」と信用を削られるのは本来の業務に支障が出るし、他の部署にも迷惑がかかってしまうので非常に困る。

だからインフォームドコンセントは丁寧にしましょうってお話で、明日朝イチで馬を診に行かなきゃならないわたしは億劫でしかたがないというお話。



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