『SNOW P・E 』

 夏でも冬ゲー。それがはじじゅうクオリティ。


 『SNOW 〜Plus Edition〜 』
 製作は‘Studio Mebius
 2006年9月発売。
 2003年1月に『SNOW』が、同年9月にDC版、翌04年2月にシナリオを追加しPS2版、04年9月にPCフルボイス版が発売。その後、更なるシナリオ追加をした逆移植版が『SNOW P・E』として06年9月に発売されるにいたる。また、以上の経緯とは別件にて、「延期四天王」としてその名をエロゲ史に刻んでもいる。
 
 あらすじ
 解けることのない万年雪に囲まれた小さな山村、龍神村。
主人公・出雲彼方(いずもかなた)は、この村で従姉の経営する温泉旅館に手伝いとして呼ばれる。
 龍神伝説が残る村とくたびれた社。
そして、社には小さな子供が一人。

 遙か昔、この空には龍が存在した。

 龍は天を司る姫。
 ある日、地の男に恋をする。
 だが、それは叶わぬ恋だった。

 龍は地に雪を降らす。
 何もかも真っ白に覆い尽くしていく。
 男への想いを断ち切るように。


先に、簡単に評価だけ。

 ストーリー(/25) ○19点 謎の少女EDェ・・・
 イラスト(/25) ○16点 抱っこと振り返り立ち絵。
 システム(/15) ○11点 セーブ画面がみにくい。
 その他(/各7) 長さ6 エロ4 萌え5 笑い5 音楽7

 総合 73点


 ストーリー
 ( Kanon + Air ) ÷2 = SNOW

まぁ、とてもそんな感じ;
 特に、旭シナリオなんかは、それどこのピロシキですかという・・・
 このとおり、よくkey作品と並べて語られることの多い作品ですが、ただ「泣きゲー」でひた走るkeyとは多少指向が違うようにも感じました。『Kanon』や『Air』のような感情の爆発ではなく、むしろEDを見たときに「ああ良かったね」とほっとできるような、そんな感動でした。なので、それはそれこれはこれでよかったと思います。

旭、澄乃と攻略することによって、他のシナリオが解放されるつくりになっているため、
プレイ当初は龍神伝説をはじめ意味不明な部分が多く残されています。

ですが、すすむにつれてその謎が明かされていき、旭・澄乃√で不明だった点が理解できるようになるのは上手いつくり方でした。
多からず伏線を回収しきれていない(正確には追加シナリオで回収しようとしたため違和感が生じた)部分があったのはもったいないところ。
しかし、その穴を補うに十分な活躍をしていたのが、心の動きを捉えた描写。全体をとおして、自分を責める、悲運を嘆くといった切ない心象の描写が非常に巧みでした。
これも、プレイヤーを引き込む重要なポイントで、本作品を成り立たせた大きな要素だろうなと思います。


▲追加シナリオより。巧みな心理描写にうならされました。


 各キャラがかなり強烈な個性をもっており、日常がそのせめぎ合いになっています;
中でもアクが強かったのは、「えう〜」を連発する澄乃と毒舌ボケをかます芽衣子。
その他、従姉を日給200円で働かすつぐみさんと、村唯一のとぼけ医者・誠史郎など。
もちろん旭もかなりアクセントあります(ネタバレ飯店が、むしろすぴすぴ言ってるウサギ形態のほうが印象つよすぎて(しかも良い仕事してて)、二足歩行してた印象は逆に薄いです;
 同時に、キャラの勢いだけでガンガン攻めてくるゲームでなく、ストーリーをきっちと作った上にキャラを立たせていたので、上滑り感なく純粋に楽しめました。

ま、「えう〜えう〜」には初め8時間ぐらいイライラしっぱなしでしたが;



ちなみに、謎の少女(P・Eでの追加シナリオ)は失敗。


 イラスト
 一枚絵はどれも綺麗に描かれています。
枚数も、差分抜きで120枚超と多目。(その分テキストも多かったですが)
最近の雰囲気の絵ではないので、人によってはやや古い印象をうけるかもしれません。
構図の妙などはなく、一枚絵が基本メインキャラのアップになっているのは少し残念。

 地味に良かったのは立ち絵の動き。
後ろ向きの立ち絵や抱っこしているのを表現できていたのが、地味に非常に地味に良い仕事してます。


▲背の低い桜花を抱っこ。いつもは見下ろしていたのに、近くに顔があるように。

初めはこの程度の仕様は驚きもしなかったのですが、話がすすみ桜花への愛着がわくにつれて、抱っこの驚異を知ることになります。臨場感がぱないすね、これ;すりこみのように、桜花への愛情が・・・↑↑


 システム
 メインヒロインだと思っていた澄乃√をクリアした時の「え・・・?(゜д゜)」感と、
全攻略時の安心感とで落差を生み出した、組み立て方には驚かされました。
単純に「○○√」=「○○とHをする√」としなかったところがグッド。
 演出面も物語をうまく盛り上げていました。(とくに前にプレイしたのがAXL作品だったので、余計にうまく感じたののかも笑゛)とりわけ、、シリアスシーンでの音楽の切り替え、背景の使い方などが秀逸で、ときにハッとさせられるほどでした。

 システムまわりはやや操作感低め。
セーブ・ロード画面はテキストだけ表示の非常に素っ気無い風体で、フォントが小さく読みにくいのが辛い。そのほかは、スキップも早いし、快適でした。
 選択肢が最近のゲームに比べ、そこそこ数が現れるので細かい分岐には意外と悩まされる場面もあります。この点はゲームらしさが出てて、良かったです。
 また、シーン回想で、CGがあるシーンはすべて回想できるのも嬉しいですね。

 惜しむらく最大の点は、動作。
ゲーム自体が止まる、重い、といったことはないのですが、雪降りや吹雪の画面効果がメモリ優先的に馬鹿食いで、ちょくちょくバックグラウンド作業に被害を被ってました。いや、ほんとゲーム自体はサクサクなんですよ?;


その他
 長さ
 プレイ時間は実測してませんです。
ただ、ボリュームはけっこうあります。特に、中盤〜後半にかけてはそのボリュームを
感じさせない引き込みがあったので、時間を忘れて楽しめました。
 謎の少女√は蛇足。

 エロ
 全体的にはあんまし評価高くないですが、一色ヒカルの「かんにんしてぇ」がエロすぎたのでひつじ的には、ぐっ!b
 それと、澄乃相手の時はとくに主人公の変態性が増すのもよかったです。

 あとは小夜里さんとの絡みがあれば完璧だったのに・・・


あ と は 小 夜 里 さ ん 陵 辱 を ぉ ぉ ぉ ・・・



 萌え
 澄乃の「えう〜」という口癖や天然キャラはプレイ当初、かなりイライライライラさせてくれました。
ですが、ふわふわして「えうえう」ばっか言ってあんまん食ってばっかだった澄乃が、母親として成長し、しっかりした姿を見ていると感動せざるを得ないというか、なんというか萌えた。
(ネタバレ飯店)あとは、鳳仙。健気に兄上を慕う姿、夜盗に追われながらも龍神、兄を支え続けた姿勢が良かったです。
 こう一般的な「かわいいから萌える」というスタイルではなく、ヒロインたちの健気な姿や成長する姿に萌えるといった感じでした。


▲あんまんばっか食ってる澄乃。でもそんな彼女も健気に強く成長していく。


 笑い
アクの強いキャラによるはちゃめちゃな日常トークがポイント。
Legendでは、とぼけた彼方とそれについていけない「彼女」の会話にも注目。

 音楽
 主題歌、BGM、cvのいずれも高いレベル。
中でもOP「SNOW」、ED「ふたりの足跡」(歌:松澤由美)は、物語の雰囲気を引き出して、またいつまでも余韻をひ素晴らしい曲。
 ただ、いまひとつわからないのは、「ふたりの足跡」は一体誰視点の歌詞なのかというところ。彼方と澄乃にしては・・・・・・さて?


 総 評
 延期しまくったわりに全員救われないゲーム。
誰もが幸せになれるグランドEDみたいなのがあってもよかったのかな、と;
延期に延期を重ねたわりに、片手落ちというか、シナリオの隙が気になるゲームでした。
ただ、全体的にはよくできていて、ゲームバランスは非常によかったです。
 楽曲やシステム面でも、優れた所が多々見られましたので、これは文句なしのオススメ良作を太鼓判です。あとは延期さえしまくっていなければ・・・
 え?謎の少女?なにそれ。ソンナノナカッタ、知ラナイ。。。






 ◆◇雑記◇◆
延期はよくないというレビューを書きながら、そのレビュー自体を延期してしまったという倒錯。
申し訳ないです。

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