『愛しい対象(カノジョ)の護り方』

 世間からだいぶ遅れてますが、いとかのレビュー到着。


 『愛しい対象(カノジョ)の護り方』
 製作は‘AXL
 2011年5月発売。
 『恋する乙女と守護の楯』『Like a Butler』などを描いた長谷川藍シナリオ。

 
 あらすじ
 「いつかまた会おうね」という幼い頃の約束を果たすため、松井悠人はある学園に
入学した。そこは、民間軍事会社「ブレイズ」の経営する総合軍事学園。
戦うこと、開発すること、そして護ることのプロを養成するための特殊な場所。
 猛勉強の末、入学した悠人だったが、そんな彼に約束の女の子・結衣は、
「なんでこんなとこ来んのよ!」
という予想だにしない台詞を投げつけた・・・
 結衣の態度にとまどうのもつかの間、悠人はさらに驚愕の事実を目の当たりにする。
所属する警護課の教室があまりに酷い!
エアコンもカーテンも他クラスとの「備品争奪戦」で奪われ、教室はござに長机という有様。他の軍事課や研究課からは落ちこぼれと馬鹿にされる。
こんな状態で夏は迎えられない!馬鹿にされたままで終われない!
 そっけない結衣の態度にとまどいつつも、悠人は仲間やクラスメイトとの結束を固め、備品争奪戦での勝利を目指す。


先に、簡単に評価だけ。

 ストーリー(/25) △10点 すごくAXLです。
 イラスト(/25) ◎22点 塗り方がエロゲらしく。
 システム(/15) ◎13点 遊び要素はほぼゼロ。
 その他(/各7) 長さ7 エロ5 萌え7 笑い5 音楽5

 総合 74点


 ストーリー
 メインヒロイン4人にサブヒロイン4人で、立ち絵がある女性キャラは(ほぼ)全員攻略可能という最強仕様。『キミ声』以来のこの試みは、ひつじ的に大☆歓☆迎。内容こそカルピス1000倍希釈並みに薄いですが、かといってメインヒロインの内容も500倍希釈程度のものなので萌え要素だと割りきってしまえばオッケ。
 AXL作品を端的に表現する言葉が凝縮されたような本作。
1.友達がおもしろい。
2.シリアスさが伝わってこない。
3.戦闘シーンの描写が下手。勢いがない。
4.でもやっぱり日常会話が爽やかに、明るく、楽しいので、まぁいっかって思えてしまう。

 正直なところ「すごくAXLでした。」って感想がいちばんしっくり来そうな気がします(^^;
ただ、本作がこれまで以上に悪かったと思われるのは物語の本筋です。
日常会話やボケツッコミはいつもどおり楽しめた一方で、登場人物たちの悩みや問題、主人公と仲間の協力、成長などはいまいちしっくり来ないものでした。
 それゆえ、どんなお話だったのって聞かれると実に全く答えにくいゲームになってしまっています;もっと言ってしまえば『どの辺が「愛しい対象の護り方」なのさ?』って思えます。(まぁ一応、作中ではこじつけてましたが;)
 AXLが「プレイヤーが純粋に楽しめる、後味のよいゲーム」を目指しているのは知っていますが、どう考えても本作は「物語の側面だけが楽しめて、後味のないゲーム」になっています。
 後味がないというのは心に残らないのと同じこと。

 あんまり叩きすぎてもあれなので、誉めるとこも。
本作のイチオシポイント。

▲ロリキャラがやたら可愛い。
 なんか知らんが、全体的にやたら可愛い。  ロ  リ  が  。



 イラスト
 せのぴー原画なので無条件に◎  ・・・なわけではないですよ?間違っても;
とはいえ、安定した立ち絵とイベントCG、奥行きがあり細かく描かれた背景などは最早鉄板。
差分抜きで100枚超のCG、50枚弱のデフォルメカットインなど枚数も豊富で、満足には十分至る量かと。
 また、今回から塗り方を変えたのか立ち絵の雰囲気がこれまで若干違って感じます。
影の具合のせいか、顔に深みがあるように見え、よりエロゲのキャラらしい立ち絵になっています。よく言えば色っぽさが増して、悪く言えば一般受けから離れた。
ひつじは個人的には、以前の方が好きかなーって思いますが、まぁ人それぞれ。
 ワイド画面を活かした背景エフェクト(吹雪や噴火etc.)とドアップ立ち絵は前作より健在。バリエーションが増えていなかった点は期待損か。


▲ワイド画面を活かしたキャラの立ち並び。仲間がアツいAXL作品にはもってこい。


 システム
 前作ほどの大きな変化は見られなかったものの、細かい点は修正されており、システム周りで不満はほとんどありません。
 ただ、ゲームとしての難易度はAXL史上でもっともEasyで、ゲーム性の低さここに極まれり。
なんというか、もう少し遊ばせてほしいです;
シナリオスキップ機能ついてますけど、周回プレイなんて殆どしないから意味ないですよ、それじゃ。

 その他
 長さ
 16時間程度。
サブ含め8人ヒロインなら、こんなもんではないでしょうか。
退屈感を感じることもなかったので、良かったと思います。

 エロ
 最近のAXLでは群を抜いてエロかったです!『キミ声』に次ぐエロさに乾杯っ!
そして松田理沙は相変わらずサービス精神が旺盛すぎるっ!乾杯っ!

 萌え
 危うくレキさまを超えてしかまいかねない萌えっぷり。 
どのヒロインも、主人公とイチャイチャネチャネチャしだしてからの可愛さは半端ないですが、なかでも汐理、ひよりはもう無敵のツートップ!
 あざとすぎる萌え要素に悔しいかなビクンビクン反応してしまうのが紳士のたしなみ!
正直言って、こんな二次元美少女がリアルにいたら正気を保っていられる自信がありえるだろうか、いやない。全くない!
サブヒロインでここまで萌えを叩きつけ、かつきちんとシナリオもHも存在するというサービスっぷりはお見事です。御見それしました。結婚してください、汐理ちゃん。

▲汐理ちゃん(先生)。cv佐藤しずく。え?ナンジョルノってなに?

 笑い
いつもどおり、暴走気味に「萌え」を語ったあとで、若干疲れ気味の「笑い」。
気持ちよく笑えました。
抱腹絶倒、というような笑いは今回少なかったですが、「自分もこの仲間に入って馬鹿したいなー、楽しいだろうなー」と思わせてくれる面白さで、見ていて気持ちよかったです。
また、前作で取り上げた自社パロも随分控えめになっており、個人的には好印象です。 
(以下、ネタバレ飯店)
いや、まぁトトの件はありますが、あそこまでやってくれれば逆に気持ちいいですよ笑゛
しかも、ラストの白トトは輝鉄(
『鉄球姫エミリー』)実装とか、自社パロの枠超えて原画家つながりになってるしww
個人的に一番笑ったのはBAD ENDですかね笑゛


 音楽
 OP曲(カンデコ)の良さ、cv陣の名演が高評価です。
「エロ」の項目でもちろっと書きましたが、松田理沙は相変わらずフェラ音が長いww久しぶりに堪能させていただきました(―人―) そして、プレイ前は声あってるのかなーと不安でしたが、プレイしてみると松田理沙以外に誰が出来ようか、と唸らされる見事な配役。しかも本人もなんとなく楽しそうですし(^^;
その他、桜川未央の一人二役演技があったり、エラい人といえばあの人な声優さんも登場したりと聴き所が満載。
 一方で、BGMの聴き古した感は相当。過去のAXL作品で使われたものと区別がつかないようなものがほとんどで、『いとかの』らしい曲というのがありませんでした。今後は、BGM面でも頑張ってみるといいのかも。
ところで、ゆかり嬢はそろそろ、ロリ声がしんどくなってきたような気がしないでもなくはないけれどもありもしなくはない;
  

 総 評
 本当にAXLなゲーム。
もうそれがいちばんしっくり来ます;
前作で、システムやブランドカラーといったものはほぼ完成していましたので、今回極端なモードチェンジを要せずともある程度の作品が出来上がっているのは地力がついた証拠でしょう。
 ただ、シナリオの希薄さ、意味のなさは目をつぶれない領域に達しようとしているので、どう首をひねっても良作とは評価できません。
 『Princess Frontier Portable』の追加シナリオは北側さんに任せといて、長谷川さんは大人しくこっちに従事させていたら、もう少しましだったのかもしれませんが。




=== === === === === ===
<ちょっと言わせて>

 AXLにこれまで期待していたこと。
上でも少し触れましたが、AXL作品は前作『かしましコミュニケーション』でひとまずの完成型を示していました。それゆえ本作は、新たにチャレンジ精神をもち新境地を切り開くような、これまでのAXLとは違った趣を期待していました(これは『かしコミ』レビュー時にも書いたお話ですが。)
 ですが、実際フタを開けてみて飛び出したのは、見事にこれまでどおりのAXL作品。
シナリオは『恋楯』や『LaB』を少し品替えしただけ。
新しいシステムやエフェクトの導入はほとんど無し。
ある程度の固定客をもつブランドとなったことで、もう十分なのでしょうか。
右肩上がりの成長線は、フラットな水平線になってしまったのでしょうか。
 1年ごとに成長や苦心のあとがうかがえたメーカーだけに、本作は非常に残念でした(絵以外。)

 AXLにこれから期待すること。
 エロゲ業界、各社が生き残りをかけて激しく頑張っている中で、AXLは「瀬之本久史」「青山ゆかり」という2枚看板だけでどこまで戦っていくつもりなのでしょう。どこまで戦っていける見通しなのでしょう。
 是非、他社の努力なども見倣って、次回作はステップアップを見せてほしいです。
 シナリオはもちろんのこと、個人的にはBGMの部分、ゲーム性の部分にまだまだ伸びしろがあるので、その辺がより良くなっていったらいいのになと思っています。
 せのぴーがジャケット絵を描いていなくてもサントラが売れるようなBGM、聴いてみたいですね。

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