『CROSS†CHANNEL』

 最近Xbox版が発売されたらしいですが・・・


 『CROSS†CHANNEL』
 製作は‘FlyingShine
 2003年9月発売。
   あらすじ
 夏。合宿。山。
群青学院放送部の面々は重い足取りで帰路を歩む。
部員が、また以前のように結束できることを願って企画した合宿は、
いたずらに溝を深めるだけの結果になった。
学校に戻り、夏休みが明ける。
静まり返った屋上で、部長のみみ先輩はひとり、放送用アンテナを組み立てる。
何者かは彼女を裏切りと呼び、何者かは彼女を逃避と呼ぶ。
バラバラになってしまった8人の部員たちは傷つき、傷つけあい、でも少しずつ
「人間の距離」を知っていく。
 そしてアンテナは完成し、言葉は世界へと送信される―――

FlyingShineデビュー作にして、いまなお根強い支持を得る作品。

※ 本レビューは、Windows版でプレイした感想をもとにしています。

先に、簡単に評価だけ。

 ストーリー(/25) ◎23点 心情変化の描出はピカイチ
 イラスト(/25) ○12点 物体の大きさが歪んでる? 
 システム(/15) ○10点 右ダブルクリックで全画面
 その他(/各7) 長さ3 エロ2 萌え3 笑い6 音楽3

 総合 62点


 ストーリー
 (様々な意味で)閉鎖された世界に生きる主人公たちが、人と繫がることの痛みと優しさを学んでいくお話です。実に青春学園ADVらしいテーマ・・・・・・なのですが、その描き方は類を見ないほどに秀逸。単純に設定だけなら文学作品としても通用するんじゃないでしょうか;
 物語につれて見られる登場人物たちの心情変化もつぶさに描かれ、「人と触れ合う痛み」と「一人で生きる痛み」が巧みに表現されているように思います。正直、プレイしているこちらの心が折れてしまいそうなほどに、登場人物たちの心が伝わってきます。
 ただ、プレイヤーと主人公を重ね合わせようとしたときに、頑なにそれを拒むのが主人公の内に潜む狂気。一般的には「プレイヤー=主人公」を成立させることが感情移入の最短ルートですが、本作は敢えてその等号をぶった切り。ギリギリまで近づけておいてから、大きく引き剥がすような手法をとっています。
 結果的にこの手法が、「自分以外の仲間を一人ずつ元の世界に帰す」という珍しいシナリオを成功させていて、非常におもしろいと思いました。
 合宿で群青学院放送部の復活を、仲間との交流を望んでいた主人公が、その後どんな心の動きを見せるのか、そしてそれに呼応して周囲はどのような反応を見せるのか。是非、楽しみ悩んでいただきたいと思います。

cc[4].jpg
▲後輩・霧が投げかける主人公への辛辣な言葉。だが彼女もまた、人との距離を量れない一人。


 イラスト
 優しいタッチの絵。それゆえに、肉感とか生々しさとかからは遠ざかります。
また、光線を意識して取り入れているのがよくわかりますが、なんかちょっと不自然;
人物の立ち方や机の高さなどにも、常識的に考えておかしいんじゃないかな?って思ってしまうものが、やや目に付きました。
 総CG枚数は94枚ですがこれにはカットインや差分も含まれているため、実際はかなり少なめ。
イラストについては大いに頑張って欲しかったです。


 システム
 プレイに難はないものの、多少使いにくい点がある。
起動時にかならずランチャーが開かれること、改稿がホイール対応していないこと、バックログが読みにくいことなどです。
ただ、右ダブルクリックで全画面化できるのは地味に便利で好きでした(笑゛
 選択肢の重要度は低く、実質1本道のシナリオといっても良いのではないでしょうか。この辺はもう少しゲーム性を出せたかもしれませんね。


 その他
 長さ
14時間程度。やや短め。
また、同じような展開が続く場面があるため、少々読み疲れてしまうのは欠点。 

 エロ
ヒロイン5人×1、2回と少ない。 
テキストやイラストの湿りッ気も低く、物足りなく感じる人が多いと思います。
キャラの性格的にはどの娘も、エノい演出にできる素質はあるのですが・・・

 萌え
こちらもあんまり。
デレた冬子や霧は可愛いですけど、まぁ、そのぐらいです。

 笑い
さすがの田中ロミオ。
これだけ狂った世界観を演出しておきながら、笑かすトコはしっかり笑かしていくからズルいww
『最果てのイマ』と似た雰囲気を醸す本作ですが、日常会話や主人公の独白の面白さ、変態っぷりは一線を画しています。
パロっててニヤリとしてしまうものから、「アホだwwww」と爆笑してしまうものまで自由自在。
この馬鹿さとシリアスを共存させることができる田中ロミオこそが、一番*っているんじゃないのかと思わされてしまうほどです;

 音楽
BGMの印象の無さェ・・・
主題歌と、そのアレンジは否が応でも耳に残るメロディ、感傷的な歌詞であるのに対し、一般BGMが全く思い出されないとはこれいかに;
とゆーか正直、BGM無かったんじゃないかって思ってしまってる自分がいるほどです。静かな世界観ですしね(^^;


 総 評
 人と人のつながりを痛みの中で知るゲーム。
設定だけなら文学作品としても通用するレベルの素晴らしい作品。
独特な台詞回しの面白さ、言葉遊び、変態行為、セクハラなどなど笑いの要素も散りばめられており、テキスト面での満足度は非常に高いです。
(ただし、物語としての「遊び」をもたせているため、プレイヤーによっては「詰めが甘い」と感じる人もいるかも知れない点はあります。)
 人によっては、『CROSS†CHANNEL』で人生観が変わった、なんてコト言う人もいるんではないでしょうか。ですが、それにもうなずいてしまえるほど巧みに「人間」を描いたゲームでした。





=== === === === === ===
<雑記>

次にやるゲームを積みゲ倉庫から模索中。
GWも終わっちゃうので、そろそろ夏ゲーの出番ですか。。。
あ、クロチャも夏ゲーでしたか;

「では、また来週。」

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