『暁の護衛』


 不安の芽、という表現を使うことがあります。
 瑣末だと軽んじていた事象が、油断を土壌ににょきにょきと成長し枝葉を広げ樹木となり、ついには日差しを遮るにまで至るうすらウザさを妙意に表していると思います。
 今日芽生えたものは不安ーというよりもむしろ不快にずっと近しいものでしたが、それは意図せず立派に成長してくれて、非常にムカつかせて頂きました。
枝葉が育ちすぎたせいか、全く関係ないことまで気にかかり終日イライラモードでした。無駄に連想力が豊かなことの弊害です。
喉に魚の骨が刺さって、熱々の湯豆腐を飲み込んで、白玉とあべかわ餅が一緒に胸に詰まった感じ。
つまり・・・サイアク。

 諸悪の根源は・・・コイツ↓


『暁の護衛』
製作は‘しゃんぐりら
2008年3月発売

イライラしてもあらすじぐらいは、ざくっとやります。

実践的に資産家の息女を護衛することで、ボディーガードとしての経験を積む。
基礎的な学習・鍛錬を終え、厳しい試験に合格した一握りのものだけが、このステップに進むことができる。
そう、今の時代、ボディーガードは多くの人間の憧れる職業であり、誇るに足る地位なのである。
が、、、今、ここに、養成学校を退学した男が1人・・・
退学の理由は単純且つ不可解。
「飽きた。」
海斗がそこに求めた非日常は、1年で食い尽くしてしまった。海斗が求める「異常」は、もうなかった。だから、やめた。
そして、だから、誘拐犯をとっちめるという「異常」に首を突っ込んでしまった。おもしろそうだったから、それ以上も以下もない。
そして、それゆえに、海斗は我が侭でとんでもないお嬢様のボディーガードに(無理やり)させられてしまう・・・

ボディーガードは、主人と行動を共にする。同じ屋根に暮らし、共に学校に向かう。買い物にも無論付き添う。
どこに危険があるかわからない。

「めんどくさい。勝手に行ってくれていいぞ。」
「はぁ?あんたアホでしょ?あんたも来るに決まってんでしょ!?」

どこに危険があるか・・・

「かったりぃな・・・」
「うるさい。許可なく喋るな。」

どこに・・・

「あんた、飲み物買って来なさい」
「・・・それはパシリじゃないのか」
「違うわ、奴隷よ」

・・・


(これってあらすじか?)

先に、簡単に評価だけ。

 ストーリー(/25) △9点
 イラスト(/25) ○15点
 システム(/15) △6点
 その他(/各7) 長さ2エロ2萌え3笑い7音楽3

 総合 47点



 ストーリー
 攻略対象をそれぞれ紹介します。



 二階堂麗華。ものすごくお金持ち。主人公の護衛対象であることからして、メインヒロインっぽい。
我が侭で口・性格・手癖悪い。あと貧ny・・・身体は発育途上。気が休まる相手として海斗を見るようになり、いつの間にか好きに。問題は、身分の差。



 こんなヤツいたっけ・・・?という二階堂彩。麗華の双子の妹。
局所が栄養過多。天然、優しい、たこ焼きは1個3万円と思ってる。初めっから、海斗のことが好き。問題は身分の差。。。だったと思う。
ルートの内容さえ忘れるほど影が薄い。正味いらん子。



 倉屋敷妙。やはり金持ちの子。母は偉大な科学者だが、本人は類稀なバカ。
「11時は夜更かし!」と言うお子ちゃまだが、麗華よりは成長している。何気に泣けるシナリオ。キャラ的にも、シナリオ的にもこのゲームのオアシス。




 神崎萌。当然金持ち。総理大臣のクビを握ってるくらい金持ち。オツムの栄養が胸に偏っていることがよくわかる行動を連発するが、武術はめちゃ強い。必殺技は「じゃすてぃすぱんち」。一緒に遊んでくれる海斗に惚れる。問題は身分の差。いらん子No.2の名を欲しい侭にする。



 二階堂家のメイド長。実は昔、麗華に拾われて来た。海斗に対してのみ、高センスかつディープなボケ・突っ込み・毒舌を披露する。そのキャラに魅了されないプレイヤーはまずいないだろうが、満を持してルートに入ってショボンとならないプレイヤーもまずいない。とんだ詐欺。



 南条薫。養成学校1年時の海斗のルームメイト。現・神崎萌ボディーガード。男っぽい女っぽい人。
抱きしめられただけで任務を忘れ、海斗になびいてしまった優秀すぎるボディーガード。ちなみにHシーンはない。




まとめてて改めて思ったのですが、、、
どいつもこいつも印象薄くて書きにくさ絶頂だよコンチクショー。

オアシス妙以外シナリオが殆ど思い出せないというこの惨劇・・・;
そして、ただ「ひどいシナリオだった・・・」ということは覚えているという・・・僕は記憶でも盗まれたのでせうか。

リアルな話、ストーリー得点9点のうち8.8点は妙ルートが稼いだ点です。残りは誤差です。

ゲーム開始時は、「世界観つかみにくいなぁ。」とか「主人公キャラ変わってますやん。」とか普通の文句を考えてたのですが、途中からそんなことは大事の前の小事だったことに気付きます。

海斗は、荒廃し社会から忌まれるスラム「禁止区域」出身であり、海斗自身が殺した彼の父は残忍冷酷で子を人と思わぬ化け物だった。二階堂家、倉屋敷家、神崎家が匂わす父との関連。「禁止区域」から海斗を追ってきた女。何者とも知れぬ、謎の襲撃。麗華は海斗の過去を探る。「禁止区域」に踏み入り、格差の実体を萌は知り始めた・・・


そんな伏線回収しません。

もしくは、とんでもなくあっさりと説明されて終わります。

それは、あたかも次週打ち切りが決まって急いで伏線を回収しにかかる漫画のように・・・

おまけ
 「おいでよぼうや・・」ちが。。。朝霧海斗。本作の主人公。人並みはずれた格闘能力を普段は隠し、不真面目に徹する。誰隔てない接し方でお嬢様方に好かれていく一方、海斗がヒロインたちを好きになる下りが一切ない仕様でカスタマイズされている。あと、「本気を出したら誰にも負けない」とか言っといて、実際は本気出しても結構ボコられるシーンが多い仕様でもカスタマイズ済み。



 イラスト
原画担当はトモセシュンサクさん。
誰かと思えば『だぶる先生らいふっ』の画師さん。なんか雰囲気変わりましたね。クセが抜けてます。
もっといえば没個性的になりましたね。
どんなゲームにでも使えそうな絵っていうのは、実はどんなゲームにも使えないんですよ。
昔の方がよかったです。
とはいえ、一般的に見れば良質の萌え絵なんでしょう。他の人のレビュみてもイラストほめられてますし。一応18点にしときます。
で、−3点は、文章とイベントCGとのズレが散見したから。


 システム
フラグ分岐・・・型か、コレ?
なんか、会食時の「誰に話しかける?」で全て決まってる気がしてならないのですがwww

ま、別にいいです。

マウスコントロールは良好。configでの設定にもう少し幅が欲しかったと思います。特に個別音声。
うるさいキャラと蚊の鳴くようなキャラがいたので、調節の必要を感じました。

雰囲気を出すために画面切り替わり効果や、演出効果を多用していますが、明らかにやりすぎ。目障りな上に、ウチのPCでは止まりかねないという切実な問題も孕んでいます。
とりわけ、CGモード改稿時の重さは尋常ではないものがあります。大いに改善の余地があるかと。さもないとウチのPCが知恵熱です。

また、誤字や背景の誤演出も随所に見受けられて気になりました。


 その他
 長さ

 短い。14時間でした。でも、11時間くらい返せって言いたいです。(3時間は妙に捧ぐ。)
 こんな適当な話で終わらすぐらいなら長丁場にしてでも、1キャラずつじっくり取り組ませるゲームにするべきだと思います。

 エロ
 タグをつけるなら、あっさりと健全な速球派
 本当に基本に忠実なHシーンが3×5人。シチュもコスもほぼ変化なしで、正直あくびがでてしまう。
 さらに、イベントCGにイーズインしたりイーズアウトしたりする画面効果が非常にウザかった。見たいところが見れない。
 そんな中エロに関しても比較的優秀だったといえるのは、やはり妙。エロ可愛えろい。
 もうこのゲーム『暁の妙』ってタイトルでいーんじゃね?と思ってしまった。

 萌え
 燃えだと1点。よって萌え。
 当然のことながら、萌えは妙の独占市場。アホな子ほど可愛い理論です。 
 ちなみに、1点しかない燃えですが、、、アクションシーンとか男同士殴りあうシーンとか、銃口向けられてどうこう言うシーンとかがありますが、、、ま、察して下さい; ゲームの主眼は「護衛任務」ではなく「身分の差をいかに無視するか」にあるので(笑)

 笑い
 文句なしの満点。CLANNADに近いものを感じました。
 パロディは少なめ〜並ですが、ニヤリ〜爆笑まで各種取り揃えは豊富。
 ストーリーでも触れたツキ、そして二階堂彩の護衛・宮川尊徳。
 このツートップが、キーパー以外全員ロナウドかって言うぐらいの破壊力を持っています。
 ツキは先述の通り、オールマイティですが基本は毒吐き要員。尊徳は、完全にCLANNADの春原ポジションです。
 いや〜、久しぶりにいい笑いを提供していただきましたhkhk
 ・・・しかし、このゲームについて誉めるのは、やっぱりなにか背筋が痒いです。。。

 音楽
 OP,ED共に二階堂彩のcv榊原ゆいにゃん。歌も演技も当然いい。
 その他cvでもやはり、ツキと宮川尊徳がファインプレイ。
 ツキは大花どん姉さん。尊徳は、我らが緑川光。
 ツキの無表情な感じ、尊徳のアホかっこ悪い感じが良く出てました。
 他方、悪かったのがBGMと効果音。
 哀しい場面でのどかなBGMが流れたり、雨降ってる場面で一瞬だけ「ザーッ」音を鳴らしたり。初め聞いたときはノイズかと思いましたよ。音がゲームから浮いてしまっていました。


 総 評
打ち切られた漫画のよう。
意味深に用意された伏線に期待したプレイヤーたちに謝るべきです。
期待した僕が間抜けなのか、処理できてないメーカーが悪いのか、真剣にもやもやしてしまった自分が恥ずかしいことチョモランマです。
ただ、ツキ・尊徳がウソみたいに面白いことと妙ルートがありえないくらい良く出来ていることから、間違ってもクソゲーとは言えません。
突発的に3時間くらい時間が空いたら、妙ルートだけをやってみるのもありかなと思います。泣く。
他のルートは知らん。九九数えてる方が生産的。


コメント
姉妹ブランドだから、暁の護衛は延期を繰り返したG線の犠牲となって、未完成の状態でも出さざるを得なかったって言われてたりするね。
  • 土地
  • 2008/09/15 12:15 PM
>土地さん
G線は半年待たされてもプレイ後にはそれも許せますが、おかげさまでこのゲームは酷い早産ですよ(笑)
巷では「名作まであと一歩!」とか評されてるのが、本当にびっくりです。
  • ひつじ
  • 2008/09/16 12:29 AM
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